離れに憩う

概要

糸島空き家プロジェクトで、プロジェクトリーダーとして設計・施工を担当したプロジェクト。築30年ほどの民家及びその離れを学生寮にコンバートするプロジェクトで、以前からお世話になっていた州熱風法人よかごつ代表の大堂さんからお話をいただきました。

母屋にはほとんど手を加えないということで、隣の川に面した絶好の場所に位置する、離れの倉庫を寮の第二のリビング、共用部として提案しました。

構成

既存の倉庫を構成する4面を、対角線で分けた2面ずつで解釈し、新たに構成を考えました。

母屋側、隣の居室に面する2面は防音・断熱を加えOSB仕上げにし、空間を強調。
対して、川を臨む面は電動シャッターでそのまま活用。庭に面する面には、母屋側の面から建具を移動し、新しく出入り口を作った。

開放的な空間で川も見え心地よい風が吹き込む。広いデッキでは本を読んだり、勉強したり、今ならオンライン授業等にも向いている。
外からはフラットに土間につながるため、庭でのバーベキューや川遊びの際にも活躍できるでしょう。

元々、寮としては使いみちの少ない倉庫は余剰空間となっていました。
この空間を活用する際、新しく特別な役割を与えるのも手ではあるが、どうせ無駄な空間なんだから無駄をそのまま楽しもうというのが今回のコンセプトになっています。
新しく空調設備等を入れたりせず、気持ちがいいときだけ、用があるときだけ使うような空間になってほしいという願いのもと、心地よい空間を目指しました。

竣工

竣工日にはすでに入寮していた学生が遊びに来てくれました。
その後その学生が寮で寺小屋(もろきち)を始め、このラウンジを使っていくれている様です。